かつて木寺宮家が代々お住まいであった地を総称として、木寺宮瑞鳳庵と呼ばれています。現在は、龍雲寺境内にあり史跡と共に大切に守られています。
木寺宮家は、天皇になる正当なお血筋の宮家であり、始祖は後二条天皇の皇子邦良親王。2世である康仁親王も光厳天皇の皇太子となっております。木寺宮の名は、京都洛西の木寺付近に殿宅があった事に由来します。
龍雲寺は、今から約700年前、時の皇太子であった木寺宮康仁親王が東国へ下向、現在の浜松市西区入野町(※現
龍雲寺境内)に屋敷を構え、祈願所として寺を建立したのが龍雲寺の始まりとされます。康仁親王は、龍雲寺を開くために足利義満の指南役であった春屋妙葩を勧請開山として迎え、自身の次男を出家させ初代住職とされました。また、御本尊には木寺宮家に平安時代(千年前)より伝わる阿弥陀如来を迎えました。
龍雲寺は臨済宗妙心寺派の準別格地の寺格を有する寺院です。
木寺宮家には多くの姫がおりましたが、当地で婚礼をあげて嫁ぐと嫁ぎ先の多くを出世させたり再興させたりする為、嫁ぐ際にくぐった龍雲寺の門は「姫出世の門」と呼ばれ、良縁の地とされています。実際に挙式を挙げられた後に、お帰りの際はこの門をくぐり、「姫出世」のご縁をいただいてください。浜松地域では稀な宮家ゆかりの地で、多くの歴史的文化財の中、ここにしかない結びの儀を行なっていただければ幸いです。
木寺宮瑞鳳庵の庭園は、龍雲寺第一世650年の遠忌に合わせ、京都高台寺庭園、建仁寺庭園、愛・地球博日本庭園の造園でも知られ、平成の小堀遠州と称される北山安夫氏により2年の歳月をかけ造園されました。
◆慈愛の庭 無量寿庭
本格的な枯山水庭園である方丈前の無量寿庭。
仏の悟りの世界を表わしています。荒々しい龍と穏やかな亀が海を泳ぎ教えを守っています。
式では、この庭園内の参道を行列を組んで進みます。
◆落差15mの滝 清浄庭
2段の滝が組まれた豪壮な石組みの清泉回遊式庭園。
北山氏の真骨頂である豪快な石組みを見ることが出来ます。庭園の滝としては全国でも有数の高さを誇りますが、どこか優しさを感じることが出来ます。
披露宴会場はもちろん、ゲスト待合として利用でき、庭を見ながら抹茶を飲み過ごす時間は、時間つぶしでなく心休めとなり、ご両親をはじめ多くの方が喜ばれるでしょう。
また池の鯉に餌を上げることが出来ますので小さなお子さんも楽しむことができます。